「LabVIEWによる大規模試験計測/評価システムの構築」

(Since 2003/10/10,Last Update 2004/04/08)

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     目  次

1.計測/評価システムの仕様
2.開発方針の経緯
3.計測/評価システムの構成
4.LabVIEW ソフトウェア構成
5.Consoleプログラム
6.Data Logプログラム
7.Post Processプログラム
8.システムに関する評価と反省点


1.計測/評価システムの仕様

 全体の計測規模と要求仕様は以下のようになっています。
もともと,1回だけの試験であり,どんなデータが得られて,なにが発生するか予想しにくい部分があったため,確定的な試験項目/仕様が決められない状況下で計測/評価システムを構築する必要がありました。そのため,データ処理などに関してはあいまいな仕様となっています。

計測/評価システムの規模と要求仕様
  1. 計測対象は,縦40m×横40m×高10m程度の電気油圧制御システム
  2. データはアナログとデジタルの混在であり,採取する計測点 約180個所に対して,同時計測を行うこと
  3. サンプリング周波数は,1Hz〜80Hzのものが140点,Max.2kHzのものが20点程度で,
    各サンプリング周波数は任意に指定できること
  4. サンプリング周波数に比較して,各信号間の時間遅れが無視できる程度に小さいこと
  5. データ採取に関してリアルタイム性は不要で,各データ間の取込み時間精度のみが必要
  6. 指定した信号を用いたトリガリング計測ができ,トリガ前のデータも指定時間分だけ採取できること
  7. データ採取中に任意の複数信号をモニタできること (実時間に対する遅れがあってもよい)
  8. データ採取時間を指定できること。もしくは連続でMax.8時間(@2kHz)とし,通算の計測期間は1.5年
  9. データ採取後のデータ処理が短時間で行えること
  10. データ採取後に評価するための処理は,
    (10-1)Time Chart
    (10-2)リサージュ
    (10-3)周波数特性
    (10-4)それ以外に,試験結果に応じて,当初の仕様には記載しない処理を拡張できる能力をもつこと
  11. 計測/評価システムの操作手順が簡単で,複雑な操作マニュアルを必要としないこと
  12. 故障に対する応急処置が簡単にとれて,試験が継続できること
  13. システム構築ならびに運用に必要なコストが低いこと

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2.開発方針の経緯

 この仕様で見積もりをエンジニアリング会社に依頼したところ,予想通り,億単位のとんでもない提示価格になりました。
もともとこのように大きな計測/評価システムを構築する事例が少ないと思われるので,技術的に正しく判断して見積もっているのかどうかもあやしいところがあります。

 しかし,計測自体はそれほど難しいとは思われないので,あいまいな仕様に基づく拡張性や操作性要求を実現するのが難しいのだと思います。

 そこで,システム全体仕様を明確にしてから業者に製作してもらうことはあきらめ,柔軟性/拡張性を重視して,機能的には単純なベース・システムを構築し,それを自分たちで拡張して最終システムにまとめあげることを考えました。

 拡張性の観点から,PCとソフトウェアを用いた計測/評価システムを構築するため,LabVIEWを用いることを計画し,日本NI社と打合せを行いました。そこで提案されたことと,決めたことを以下に示します。

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3.計測/評価システムの構成

 計測/評価システムは,実際にデータを収集し,ハードディスクに保存する4つのステーション(Front/Left/Right/Rear)とこれらの4ステーションに起動/停止コマンドを出したり,収集中のデータをモニタする中央ステーション(Center)からなっています。

 各ステーションはスイッチングハブを介して100Base-TXで接続されており,中央ステーションは各4ステーションに対してLabVIEWのVIサーバー機能やTCP/IPでコマンドをやりとりし,各ステーションはUDP(User Datagram Protocol)でステータス・データ,モニタ・データを中央ステーションに送ります。

 4つのステーションでのデータ採取の時間同期をとるため,Frontステーション(Master)で低速と高速の2種類のサンプリング・クロックを発生させ,それを残りの3ステーション(Slave)に同軸ケーブルで送っています。
 クロック周波数は任意に設定できますが,低速クロックはデフォルト設定で10Hzであり,高速クロックは40Hz(Max. 2kHz)です。
 クロック生成ハードウェアの仕様により,高速クロックは低速クロックの4倍以上である必要があります。

 各Stationでの信号入力数を表3-1に示します。

表3-1 データ収集Stationの信号入力数
Station名 アナログ入力数 デジタル
入力数
低速 高速
 Front 80 4 13
 Right 2 24 0
 Left 2 24 0
 Rear 4 25 0




 各データ収集Stationのハードウェア構成を表3-2〜表3-4に示します。
1つのデータ収集Stationには,複数のPXI入力DAQ Device(高速用A/D,低速用A/D,デジタル入力など)があり,各個別のセンサは,SCXI信号調節ボード上でマルチプレックスされてPXI DAQ Deviceに送られます。
 これらの詳細については日本NI社のサイトを参照してください。

 このうち,SCXIネットワークタイミングモジュールは,低速と高速のサンプリング・クロックの入出力Bufferポートで,特別仕様品です。

 RightとLeft Stationはまったく同じ構成です。

 Center Stationは100Base-Tx LANポートを持つ通常のパソコンで,各データ収集Stationのハードディスクからデータを回収し,長期保存するための大容量ファイル装置を備えています。

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表3-2 Front Stationのハードウェア構成
シャーシ名称 モジュール名称 端子板名 モジュール機能
 PXI-1010 PXI 8 Slot/SCXI 4 Slot コンビネーション・シャーシ
PXI Slot
@PXI-8170 コントローラ:PIII850MHz, メモリ128MB, 6GBHDD, WinNT/J
APXI-8120 Fast Ethernet+UltraWide SCSI
BPXI-6052E DAQ Device3ボード:高速サンプル用
CPXI-6052E DAQ Device4ボード:低速サンプル用
DPXI-6533 DIO Device5ボード:SCXI−1162HV用
SCXI Slot
@SCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ASCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
BSCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
C SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック
 SCXI-1001 SCXI 12 Slot
@SCXI-1162HV 32Ch.高電圧絶縁デジタル入力モジュール
SCXI-1326 高電圧スクリューターミナルブロック
ASCXI-1152 32Ch.熱電対モジュール
SCXI-1303 SCXI−110x用フロントマウントターミナルブロック
BSCXI-1152B 32Ch.マルチプレクサモジュール・200Hzバンド幅
SCXI-1303 SCXI−110x用フロントマウントターミナルブロック
CSCXI-1152B 32Ch.マルチプレクサモジュール・200Hzバンド幅
SCXI-1303 SCXI−110x用フロントマウントターミナルブロック
DSCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ESCXI-1121 4Ch.抵抗測定用モジュール
SCXI-1321 オフセットヌル/シャントキャリブレーションターミナルブロック
F SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック

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表3-3 Right/Left Stationのハードウェア構成
シャーシ名称 モジュール名称 端子板名 モジュール機能
 PXI-1010 PXI 8 Slot/SCXI 4 Slot コンビネーション・シャーシ
PXI Slot
@PXI-8170 コントローラ:PIII850MHz, メモリ128MB, 6GBHDD, WinNT/J
APXI-8120 Fast Ethernet+UltraWide SCSI
BPXI-6052E DAQ Device3ボード:高速サンプル用
CPXI-6052E DAQ Device4ボード:低速サンプル用
SCXI Slot
@SCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ASCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
B SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック
 SCXI-1000 SCXI 4 Slot
@SCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ASCXI-1121 4Ch.抵抗測定用モジュール
SCXI-1321 オフセットヌル/シャントキャリブレーションターミナルブロック
B SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック

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表3-4 Rear Stationのハードウェア構成
シャーシ名称 モジュール名称 端子板名 モジュール機能
 PXI-1010 PXI 8 Slot/SCXI 4 Slot コンビネーション・シャーシ
PXI Slot
@PXI-8170 コントローラ:PIII850MHz, メモリ128MB, 6GBHDD, WinNT/J
APXI-8120 Fast Ethernet+UltraWide SCSI
BPXI-6052E DAQ Device3ボード:高速サンプル用
CPXI-6052E DAQ Device4ボード:低速サンプル用
SCXI Slot
@SCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ASCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
BSCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
C SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック
 SCXI-1000 SCXI 4 Slot
@SCXI-1520 8Ch.ユニバーサルストレイン/ブリッジモジュール
SCXI-1314 ひずみゲージ用ターミナルブロック
ASCXI-1121 4Ch.抵抗測定用モジュール
SCXI-1321 オフセットヌル/シャントキャリブレーションターミナルブロック
B SCXIネットワークタイミングモジュール (SCXI−1180内)
SCXI-1305 BNCターミナルブロック

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